九月 26

Zouglou in Abidjan / ズグル・イン・アビジャン

毎週日曜日、コートジボワール最大の都市アビジャンに1,000人超が集まりローカルダンスミュージック “Zouglou” を楽しんでいる。知られざる西アフリカの活気溢れるローカルシーンをフォトエッセイで紹介する

毎週日曜日、コートジボワール最大の都市アビジャンの西に無秩序に広がる郊外ヨプゴンの砂混じりの一画に1,000人超が集まる。プラスティックチェアと小さなウッドテーブルがこの空間を迷路のような宴会場に変え、大勢が急造の通路を埋め尽くす。楽しい雰囲気で高揚感と活気に溢れているが、これらにひと役買っているのがすべてのテーブルの上に置かれている決して空になることがない瓶ビールBeaufort(VIPはワインとMoët)が入ったボウルだ。

 

ここを訪れた全員の視線が最終的に向かうのが、この空間の目玉、大音量のサウンドシステムとそれなりの照明設備、バンド用機材が配置されている巨大なステージだ。細くて小柄だが良く通る声と強烈なカリスマを備えているこのヴェニューのオーナーで当日のMCを担当するSylvanusが演奏が終わるたびにその上に姿を見せ、出演するパフォーマーたちのために会場を盛り上げる。

 

このショーは昼下がりに始まるが、終演が午前12時頃になるのはざらだ。このショーにはコートジボワールのあらゆる音楽のパフォーマーたちが出演しているが、ほぼ毎回、あるひとつのサウンドに大きくフォーカスしている。Zouglou(ズグル)だ。

 

Zouglouは1990年代初頭にコートジボワールの大学生たちによって生み出された。以来、コートジボワールの伝統的なリズムにモダンな楽器編成を加えたサウンドに個人的なエピソードを絡めるこの音楽はアビジャンのユビキタスになっている。政治的メッセージが含められることもあるこの音楽は国内の抗議活動の活性化に貢献しており、数十年続いていた一党制政治から多党制政治への転換を実現させた。政治的メッセージが一切含まれておらず、ダンスフロアだけを意識していたジャンルcoupé-décalé(クーペ=デカレ)が2002年に台頭したことでZouglouが隅へ追いやられ、さらには数年に及ぶ内戦と緊迫した政情がこの音楽の拡散の妨げとなった。しかし、比較的平和な状態が約10年続いていることからZouglou人気は徐々に復活しており、今回紹介しているL’Internatのようなヴェニューがその後押しをしている。

 

2019年に10周年を迎えたL’Internatの最大席数は2,600だが、日曜日のショーはヴェニューのすぐ外に設置されている巨大なプロジェクター用スクリーン2枚や近隣の住宅のバルコニーやルーフトップでも楽しむことができる。

 

ステージではアップ&カミングなZouglouバンドがオリジナル曲や、故Dazy Championや世界的人気を誇るMagic Systemのようなアイコンたちのヒット曲を演奏してオーディエンスを盛り上げる。Zouglouはしばしばヴォーカル、シェイカー、タムタム3個というシンプルな構成で演奏され、ミュージシャンたちはコーラスからリードシンガー、さらにはタムタム奏者とパートを交代しながら演奏しており、1曲の途中でパートを入れ替える時もある。また、バンドがオーディエンスから特に気に入られた時は、ファンがステージに上がってパフォーマンスに現金を渡す光景が見られる。

 

2019年、毎週開催されているこのコートジボワール音楽の祝祭を体験するために、我々はラマダン終了後の最初の日曜日にアビジャンを訪れた。

 

L'Internatの壁には「有言実行」と言い換えることができるZouglouで頻繁に使用されるフレーズがペイントされている ©Malick Kebe

 

 

L'Internatのオーディエンス ©Malick Kebe

 

 

L'Internatのオーディエンス ©Malick Kebe

 

 

L'Internatのオーディエンス ©Malick Kebe

 

 

 

L'Internatのオーディエンス ©Malick Kebe 

 

 

MCを担当するL’InternatのオーナーSylvanus ©Malick Kebe 

 

 

壁のメッセージは「Zouglouによって解放された」と言い換えることができるが、Zouglouでは “libere” は “ダンス” も意味するため「Zouglouでダンスする」と言い換えることもできる ©Malick Kebe 

 

 

L’Internatのオーディエンス ©Malick Kebe

 

 

L’Internatのオーディエンス ©Malick Kebe

 

 

ステージからの眺め ©Malick Kebe

 

 

L’Internatに出演したZouglouバンド ©Malick Kebe

 

 

L’Internatに出演したZouglouバンド ©Malick Kebe

 

 

タムタム奏者 ©Malick Kebe

 

 

シェイカーを演奏するコーラス ©Malick Kebe

 

 

 

 

Header Image:©Malick Kebe

 

 

27. Sep. 2019