十一月 21

Bootsy Collins が James Brown に出会ったとき

2人のクリエイティブなマインドが初めて出会った時にスポットライトを当てるシリーズ第4回。

60年代後半、James Brownに認められ、彼のバンドに迎え入れられるのは並大抵のことではなかった。しかし、1970年にJames Brownがお抱えのバンドメンバー達とギャラの支払いを巡って揉めた末、ゴッドファザー・オブ・ソウルの元からメンバーが去った時、その穴を埋められるかもしれないオハイオ州のローカルバンドのことをゴッドファザーは知っていた。Bootsy Collins(ブーツィ・コリンズ)の兄、Catfish(キャットフィッシュ)が率いていた、The Pacemakers(ザ・ペースメーカーズ)だ。このストーリーは、2011年に行われたBootsy CollinsによるRBMAレクチャーの一部であり、彼らがJames Brownのバックバンドを初めて務めた時のウソのような本当の話だ。

 

 

By Bootsy Collins (Translation by Nobuyuki Suzuki)

 

 

オハイオ州のシンシナティって街にあったKing Recordsで、アニキのCatfishと一緒に、The Pacemakersってバンドでレコーディングしてたんだ。たまたま、James Brownも同じとこでレコーディングしたりしててね。オレらはそれを知ってたから、学校が終わったら毎日King Recordsでハングアウトして、とにかく誰かが来るのを待ってたんだ。そしたら、偶然にもCharles Spurling(チャールズ・スパーリング)っていうA&Rをやってる男に出会って、気に入られたんだ。彼はオレらの演奏を聞きたいって言うから、クラブで演奏する時に招待したら来てくれてね。彼は「ワォ、キミらはまったく新しいエネルギーに溢れてる… King Recordsで僕のハウスバンドになってくれないか。」ってね。

 

それで、彼とKing Recordsで何枚かレコーディングするようになったんだ。そのお陰で、Bill Doggett(ビル・ドゲット)や、Hank Ballard(ハンク・バラード)、Arthur Prysock(アーサー・プライソック)なんかをプロデュースしてたHenry Glover(ヘンリー・グローヴァー)や、King Recordsの他のプロデューサーたちもオレらのことを知ってくれるようになってね。James Brownに辿り着くまでに、それだけいろんなレコードで演奏するチャンスを得られたってわけさ。オレらはスタジオに入って、ワクワクしながらも、そこで規律を学んだんだ。スタジオで何をするのかも分かってなかったけど、オレらが分かってたのは、自分の楽器を持ってたってことと、もし演奏させてくれたなら、度肝を抜かしてやるぜ!ってことだけだったんだ。それしか知らなかったから、どこに行くにもそんなアティトゥードだったけど、スタジオに行く時は学びに行ってたんだ。

 

Hank Ballardとは何枚か一緒にレコーディングした後、実際にツアーにも同行したよ。それに、James Brownお抱えの女性アーティストで当時人気だった、Marva Whitney(マーヴァ・ホイットニー)や、Lyn Collins(リン・コリンズ)、Vicki Anderson(ヴィッキー・アンダーソン)とかもね。Jamesがオレらのことを、「コイツらは目を見張るものがある。オレがコイツらを連れ出して本物のファンクを叩き込んでやる。」って言って、 実際にそうなる前に、他のそういったアーティスト達とツアーを回るチャンスを得られたんだ。

 

その後、King Recordsを離れて、小遣い稼ぎにいろんなクラブでライブしてたんだ。それである日、"Wine Bar"って名前のクラブでパフォーマンスしてる時に、Bobby Byrd(ボビー・バード)から電話があんたんだ。何を言い出すかと思えば、「よぉ、Bootsy、ゴッドファザーがお呼びだ。ジョージア州コロンバスに今すぐオマエらが必要だと言ってる。今すぐだ。」ちょっと冷静に考えて見てくれ、オレらはライブ中だったんだ、だからオレは、「そんなわけないだろ、Jamesがオレらを必要なはずがない。」「マジだ、今すぐ必要としてるんだ。今Jamesのリアジェットで45分でピックアップしに行く。」オレらはジョークだと思ったんだ。でも、本当に45分で現れて、「今すぐ来てくれ、そのままでいいから。」オレらは現実とは思えないとばかりにお互いを見合わせて、ファンクの赴くままに従って「ファンク・イット!(Funk it!)」って言って向かったんだ。

 

飛行機に乗ったら、アフロが後ろになびかれるまま40,000フィート上空に飛び立ったんだ。初めて飛行機に、しかもジェット機に乗って迎え入れられたんだ。オレらは飛行機ヴァージンだったんだぜ(笑)?40,000フィート上空にいて、これからJames Brownのバンドの一員になるなんて、そんな最高なことないだろ。まぁ、とにかく、それで、アリーナに着いたら客は怒ってる。自分らがどんな状況に飛び込んでるのか分かってなかったんだ。その時はまだJamesがオレらにバックバンドを務めて欲しいと思ってるなんて知りもしなかった。それまで、オレらはHank BallardやMarva Whitneyとツアーを回ってたから、彼らと前座をやらせるために呼ばれたのかと思ってたんだ。

 

 

まさか本当に彼が、オレらにバックバンドで演奏して欲しいと思ってるとは思いもしなかった。バンドを去った元のメンバー達は友人であり、憧れの存在で、オレらのヒーローだったんだ。オレらがその一線を超えることになるなんて考えたこともなかった。でも、実際に会場に踏み入れた時に、オレらはその一線を超えてたんだ。そうなるっていう事実を知らされずにね。オレらが踏み入れた時、オリジナルのメンバー達を待ちかまえてた他のバンド・メンバー達からは、「コイツら誰だよ?」と言わんばかりにジロジロ見られたよ。まぁ、でもそんなゴタゴタもその場はおさめて、今度は客がJamesが遅れてるからブーイングしてる、いや、公演自体が遅れてるのが、オレらのせいだと勘違いしてる。とにかくゴッドファザーに辿り着くまでに、もうそんなメチャクチャな状況をくぐり抜けなきゃいけなかったんだ。

 

それでやっとJamesと対面すると「(James Brownのモノマネをしながら)アッ。オマエらができるヤツらだってことは知ってるぞ。ステージに上がって、オレがコールした曲をやってくれ。」状況をよく理解できてなかったけど「OK。」とだけ応えたよ。Jamesは、オレらが彼の曲を全部知ってることを見抜いてたんだ。早速ステージに上がると、Jamesが曲をコールしだした、“Cold Sweat” バンッ! “I Feel Good” バンッ!ってな。全曲知ってたとはいえ、自分らでもどうやって一晩乗り切ったのか分からなかったよ。現実離れし過ぎてたからな。ちょっとキマッてたせいもあるかもしれないけど、終わったら放心状態だったよ。そのショウが終わった後にJamesが言ったんだ、「いいか、これから2週間出ずっぱりだ。リハーサルして、ショウをカマシて、オマエらがバンドを務めるんだ。その名もJB'sだ。」