二月 01

The Art of Drexciya

伝説のアクアティック・エレクトロデュオのアートワークについてイラストレーターが解説した

By Ashley Zlatopolsky

 

コンセプチュアルな神話とアフロフューチャリスティクなストーリーラインを中心に据えていたDrexciyaは、1994年の「Aquatic Invasion」でブレイクしてから20年以上が経った今もミステリアスな存在であり続けている。Gerald Donaldと2002年に逝去したJames Stinsonによって生み出されたとされているDrexciyaは、デトロイトのエレクトロニック・ミュージックの中で最も重要なアクトのひとつに数えられることが多い。

 

そのDrexciyaのアクアサウンドにヴィジュアルイメージを与えたのが、20年以上に渡りデトロイトを代表するアーティストたちのアートワークを手掛けてきたイラストレーターAbdul Qadim Haqqだった。今回は、『Drexciyan Cruiser』、『Neptune’s Lair』、『The Warriors Return』を含む、HaqqがDonaldとStinsonのために描いた作品群を本人に解説してもらった。

 

 

『Drexciyan Cruiser』

 

© Abdul Qadim Haqq

 

James(Stinson)と俺で、Drexciyan Warrior(Drexciyanの戦士)が乗り込むビークルについて色々と話し合っていた。ある晩、俺がそのアイディアについて考えながらディスカバリーチャンネルを見ていると、番組の中にイカが出てきたんだ。それで「こいつはビークルにパーフェクトじゃないか」と閃いて、イカをベースにこのDrexciyan Cruiserを描いたのさ。Drexciyan Warriorが乗り込む、モディファイされたイカ、イカのハイブリッドってところだな。水をイメージさせるカラーリングにしたかったから、ターコイズ、ブルー、グリーンをふんだんに使った。

 

 

『Neptune’s Lair』

 

© Abdul Qadim Haqq

 

Drexciyanたちが科学実験や研究を行っていた居住空間Bubble MetropolisについてJames(Stinson)から説明があったんだ。触手のようなものが海底に伸びていて、彼らはそれから必要な物資や食料を得ていたとね。アルバムのアートワークについて話し合っていた時にJamesからされたその説明を元に俺が描いたのがこれだ。あとは、Drexciyan Warriorの姿も同時に描いた。同じアーマーを装着しているDrexciyanの一般階級の戦士のプロトタイプだ。オレンジとイエローで描かれているのは海底だ。その上に描かれているのはワームホールで、Drexciyan Cruiserがそこから出てきているのが確認できる。これらは全てストーリーの一部、Drexciyaの音楽の一部だ。このアルバムの音楽には、2人がDrexciyan Warriorに関する様々なアイディアと共に表現したかったフィーリングが反映されていると思う。

 

 

『The Warriors Return』

 

© Abdul Qadim Haqq

 

これは『Neptune’s Lair』のアナログ盤の見開きで使われたアートワークだ。戦いを終えて、Bubble Metropolisに帰ろうとしている戦士たちの姿を表現している。俺は、彼らの強さや階級も表現したいと思っていた。だから、リーダークラスの戦士には槍を持たせた(ケープとゴールドヘルメットを身に着けている戦士)。その後ろに描かれているブルーヘルメットは一般階級の戦士だ。戦いでは彼らが勝利した。彼らが戦いに敗れることはまずないのさ。背景に描かれている赤い岩は、Drexciyaのトラック名になっている「Red Hills of Lardossa」だ。

 

 

『Untitled』(2016年)

 

© Abdul Qadim Haqq

 

これは俺が今手掛けているグラフィックノベルの一部で、比較的新しい作品だ。ちゃんとしたキャラクターに育てて、ストーリーに登場させようと思っている。Drexciyan Warriorをより具体的に、よりモダンに描いた。Drexciyanに関しては、大西洋を渡っていた奴隷の女性たちが海に投げ捨てた赤子たちがなぜか海の中で生き延びて、Drexciyanになったという設定がある。俺はその設定をより具体的にしつつ、そこにいくつかのストーリーを加えたんだ。奴隷たちはアフリカから連れて来られたという設定だから、アフロフューチャリズムと言えるだろうな。

 

 

『Untitled』(2016年)

 

© Abdul Qadim Haqq

 

Drexciyan Warriorたちは、生きているイカを手なずけてDrexciyan Cruiserに変えているんだ。だから、巨大なイカを捕獲しようとしている戦士の姿を描いた。俺は、彼らがどうやってイカを手なずけて、ビークルとして使えるハイブリッドなイカに変えているのかについてグラフィックノベルの中で説明した。『Neptune’s Lair』がリリースされる前からこの設定は存在していて、当時から面白いと思っていたから、上手いことストーリーに発展させたいね。

 

 

『Untitled』(2016年)

 

© Abdul Qadim Haqq

 

これは『The Warriors Return』のコミックブックスタイルだ。『The Warriors Return』の見開きを、グラフィックノベル用に描き直したのさ。コンセプトはオリジナルと変わらない。戦いで勝利を収めて帰還するDrexciyan Warriorの姿だ。海底に描いた魚に特に意味はないが、海の深さと、そこに棲む海洋生物を表現したかった。名前はまだ決まってないが、色々考えているところさ。

 

 

Header Image:© Abdul Qadim Haqq