七月 10

世界34ヶ国 59名の参加者一覧 (Part 2/2) : RED BULL MUSIC ACADEMY TOKYO 2014

今年の参加者 世界34ヶ国を代表する59名のプロフィールを一挙公開。アルファベット順 N-Z まで。

Never Sol(ネヴァー・ソル)
本名:サラ・ヴァンドラスコヴァ
国:チェコ共和国
居住地:プラハ
音楽ジャンル:シンガー/ソングライター、エレクトロニカ
スキル:演奏家、ピアノ

 

Never Sol(ネヴァー・ソル)として活動するSara Vondraskova(サラ・ヴァンドラスコヴァ)の音楽は、飾り気はないが勇ましい。彼女の曲は時にDavid Lynchのような、濃密で厚みがあって不気味な領域に踏み込む。だがある時は簡素かつオープンに、 彼女の声と厳選された楽器のみで奏でられる。それはまるで、部屋に彼女と2人きりでいるかのようにも聴こえる。(変な意味では無い。)チェコ共和国を拠点とするVondraskovaは、音楽を通じて心の傷を癒やしている以外は、大学で文化理論を勉強中で、彼女の音楽にはその哲学的な傾向が表れている。しっかりと地に足を着けていながら、同時に大きなアイディアに取り組む姿勢が伺えるのだ。

 

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Nightfeelings(ナイトフィーリングス)
本名:ニコラス・ワイス
国:アメリカ
居住地:ブルックリン
音楽ジャンル:エレクトロニック、R&B
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家

 

筋金入りのTLCファンであるNicholas Weiss(ニコラス・ワイス)は、激しいウエアハウス・テクノに感動して涙(嬉し涙)を流したこともあることを認めており、彼自身の音楽においても、今日的なジャンル交配の感覚を持ってでも珍しいほどの探究心でアプローチしている。彼が初めてビート・メイキングを試みたのは11歳のときで、「トイザらス」で販売していた唯一の音楽制作ソフトを使用した。彼のインスピレーションはTimbalandやThe Neptunesだったにも関わらず、このアプリはトランス向けに作られていた。今振り返れば、偶然とはいえ既にこの時点からジャンル衝突の実験を行っていたわけだ。Weissはだいぶ前にこれを卒業し、LogicやAbleton、その他いくつかのハードウエアを使用するようになったが、このハイブリッドな感覚が彼を導き続けている。彼はNightfeelingsに加え、大学時代の友人Logan Takahashi(ローガン・タカハシ)と共にHD(高解像度)な美意識を、ラフなブレークビーツと未来的なクラブの雰囲気、それに90年代のベクトル合成と融合させているグループ、Teengirl Fantasyとしても活動している。

 

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Nischay Parekh(ニシェイ・パレク)
本名:ニシェイ・パレク
国:インド
居住地:西ベンガル州
音楽スタイル:ポップ、レフトフィールド
スキル:プロデューサー、演奏家、ヴォーカリスト

 

インド出身のNischay Parekh(二シェイ・パレク)が作り上げるエクスペリメンタル・ポップは、まるで万華鏡の様な特徴を持つ。マルチな楽器を使いこなす彼は、ギター、ベース、キーボード、そしてシンセサイザーでレコーディングを行うが、コンピューターは使用しない。それもあってか、彼の曲には有機的かつ柔軟な雰囲気があり、それは綿菓子の様に固まってゆっくりと溶けていく。古典的な曲作りに子供のようなエレクトロニクスをわずかに加えたParekhの音楽は、夢のようで遊び心がありながら、安定したメロディーによってしっかり支えられている。彼のデビュー・アルバム『Ocean』は、インディペンデントに2013年にリリースされた。


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NV(NV)
本名:ケイト・シロノソヴァ
国:ロシア
居住地:モスクワ
音楽ジャンル:ポップ、エレクトロニック
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家、ヴォーカリスト

 

Kate Shilonosova(ケイト・シロノソヴァ)に自身の音楽を説明してもらったとしたら、このモスクワを拠点とする歌姫はきっと、かなりの部分の80年代Jポップに、90年代前半のレイヴ・ムーヴメントの活気、それにニュー・ジャック・スイング・シーンの自信が合わさったものだと答えるだろう。この3本立ての快活なひな形に、Shilonosovaが溢れるエネルギーと輝くような幸福感を混ぜ合わせたときが、彼女がアーティストNVに変身するときだ。2013年にリリースされた「Pink Jungle EP」では、子猫のような歌と陽気なプロダクションの魅力を聴かせた。ソロ活動以外では、Shilonosovaはイギリスの実験音楽家Cornelius Cardew(コーネリアス・カーデュー)の思想に基づいて演奏されるスクラッチ・オーケストラにも所属している。


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Olefonken(オレフォンケン)
本名:オレ・ペッター・ヘルグム
国:ノルウェー
居住地:ヤル
音楽ジャンル:ポスト・ディスコ、ハウス
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家

 

ノルウェーのOle Petter Hergum(オレ・ペッター・ヘルグム)は多才な男である。彼はHubbabubbaklubb(ハバババクラブ)の一員として、Todd Terjeをも震え上がらせそうな気だるいポスト・ディスコの名曲「Mopedbart」(大まかに訳すと「産毛のヒゲ」の意)を作った。オスロのクラブ、JaegerでレジデントDJも務めるHergumは、Olefonken(オレフンケン)というソロ・アーティストとしても音楽制作をしており、Giorgio Moroderの影響を受けた80年代のレトロなシンセ曲を専門としている。どの名義であったとしても、彼の音楽に一貫して期待出来るのは、緩めのディスコ・チューンとのんびりとしたグルーヴだ。


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Ossie(オジー)
本名:オシータ・アネケ
国:イギリス
居住地:ロンドン
音楽ジャンル:ハウス
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家

 

UKファンキーが、ブロークン・ビーツ以降の爆発的なダンス・ミュージック人気の中で現れた時、Ossie(オジー)はそのサウンドトラックを提供した。彼のデビューEP「Tarantula」は、サハラ以南の解釈を加えたレイヴィーなファンクで2011年にリリースされ、それに続くHyperdubからの「Set The Tone」も同様の明るいダンス曲で、チョップアップされた鋭いアフリカのリズムとトークボックスによるヴォーカル、そして高揚感をもたらす乱れたシンセ音を融合していた。それからというもの、Hyperdubからの2作目を含む多数のEPを通じて、OssieはUKでも最も面白いアンダーグラウンド・プロデューサーの1人として知られるようになった。ハウス、ジャズ、、そしてコンテンポラリーR&Bを融合するヴォーカル・トリオ、Black Orange Juice(ブラック・オレンジ・ジュース)の一員としても活動するOssieは、そちらでよりポップな表現に取り組んでおり、それが彼の12インチ・リリースをより親しみ易いものにしている。


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Palms Trax(パームス・トラックス)
本名:ジェイ・ドナルドソン
国:ドイツ
居住地:ベルリン
音楽ジャンル:ハウス
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家

 

Palms Trax(パームス・トラックス)として活動するJay Donaldson(ジェイ・ドナルドソン)はブリストル出身だが、彼の曲を聴いてそれを推測出来る者はいないだろう。むしろ彼のサウンドはシカゴとデトロイトを軸としたどこか、いわばハウス・ミュージックにおけるチグリスとユーフラテスに位置している。Omar-S(オーマー・S)のようなレジェンドを思わせる巧みさで、Donaldsonは叩き付けるドラムにカラリとしたシンセ音、そしてやさしく高揚感のあるパッドを操り、激しく身体を揺さぶる曲を作り上げる。DJツールの作りでは満足出来ない彼の曲には、ミニ組曲のような起伏と流れがある。ベルリンに移住してから、Jayは忙しい日々を送っている。彼は友人たちとChicago Flotation Device(シカゴ・フローテーション・デヴァイス)名義でよりラフな領域を開拓し、Berlin Community Radioでレギュラー番組を持ち、Kassem Mosse、Ron Morelli、Parris Mitchellらと肩を並べながらツアーも精力的に行っている。Donaldsonの活躍は、はまだまだこれからなのだ。


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Parachute Pulse(パラシュート・パルス)
本名:アナ・ローマン
国:イギリス
居住地:ロンドン
音楽ジャンル:ドリーム・ポップ、シューゲイズ・エレクトロニック、サウンドトラック
スキル:プロデューサー、演奏家、ヴォーカリスト

 

Parachute Pulse(パラシュート・パルス)は、26歳のルーマニア人Ana Roman(アナ・ローマン)のアーティスト名だが、彼女のゆったりとした夢のような音楽の広大な性質を完璧に表している。サウンド・デザイナーが本業の、ロンドン拠点のこのプロデューサーは、音のディテールに綿密な注意を払って曲を作り込む。彼女の曲の多くは、エレクトロニックと生楽器の両方の要素を取り入れているが、その音の厚みはVSTの小さな箱などではなく、まるでコンサート・ホールで聴いているかの様だ。Anaはブカレストで数年間過ごした後のロンドンに移住したが、この2つの都市はテクスチャーとペースという点で彼女に永続的な影響を与えている。哀調を帯びたピアノ主体の作品にはSteve ReichとBjörkから、Anaのより牧歌的なサウンドスケープにはSigur Rósのよりダウンビートな曲調からの影響が聴こえる。


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Plasma Rüby(プラズマ・ルービー)
本名:カルロス・アグスティン・デル・リオ
国:アルゼンチン
居住地:ラス・ヘラス
音楽ジャンル:アンビエント、エクスペリメンタル、ポスト・ロック
スキル:プロデューサー、演奏家

 

Plasma Rüby (プラズマ・ルービー)として知られる、アルゼンチン人アーティストのCarlos Agustin Del Rio(カルロス・アグスティン・デル・リオ)は、儚さという概念をよく理解している。現在クラシック界を揺るがせているNils Frahm(ニールス・フラーム)やÓlafur Arnalds(オーラヴル・アルナルズ)のリミックスを手がけた以外のところでは、Del Rioは自分自身の音楽を制作している。常に暖かさに包まれ、繊細かつ慎重に配置されたピアノ、それに溝の擦り減った誇りっぽいレコードが回り続けているような雑音、時には爆発的なポスト・ロックのギター・リフが入ることもある。夕焼けを音楽で表現するとしたら、きっと彼の音楽が一番それに近いだろう。


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rj(rj)
本名:ダーヴィッド・ホフマン
国:ドイツ
居住地:ベルリン
音楽スタイル:ハウス、テクノ
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家

 

David Hofmann(ダーヴィッド・ホフマン)の作品は、どこかネマティックである。 彼らの曲のダイナミックさには物語と動きがあり、まるでそのひとつひとつが短編映画のサウンドトラックの様だ。それらは温かなコードと、リヴァーブの効いたトリップ・ホップ的ドラム音で和ませてくれるかと思えば、ステディなキック音とつややかなシンセで盛り上げてもくれる。数分間、あなたを別世界に連れて行ってくれるのだ。 Hofmannはrjという名義の他に、Till Gerloff(ティル・ゲルロフ)とのデュオDürerstubenとしてもレコーディングしている。彼自身は何らかの音楽を幼少期から作り続けていたといい、ラップ・ビート、ロック、テクノ、ディスコまで何でも手がけてきた。彼の趣味の幅広さは制作するトラックに表れており、バレアリックからフィルター・ハウス、Jan Hammerのサウンドトラックまでをも聴き取ることが出来る。


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Silva(シルヴァ)
本名:ルシオ・ソウザ
国:ブラジル
居住地:ヴィトーリア
音楽ジャンル:MPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)
スキル:プロデューサー、演奏家、ヴォーカリスト

 

Silva(シルヴァ)は、文字通り聖霊から生まれた。ブラジル南東に位置するエスピリト・サント州(聖なる霊の意)で育ち、クラシックのピアニストであった叔父のおかげで、Satie(エリック・サティ) やEno(ブライアン・イーノ)から音楽の持つ治癒力を幼い頃に学んだ。アンビエントでLollapalooza、Sónar、Rock in Rioといったフェスティバルの観客を盛り上げることはなかなか出来ないが、Silvaはこの3つともに出演を果たしている。若手のムジカ・ポプラール・ブラジレイラの旗手として讃えられる彼は、完璧な音程のヴォーカルを、銀色に輝くシンセ音のレイヤーと巧みに組まれたビートに乗せ、サンバとボサノヴァの要素を織り込んだきらびやかなエレクトロニック・ポップ・ソングに仕上げる。26歳という若さで、彼はすでに2枚の「ボサノヴァ・ドリームポップ・アルバム」(2012年の『Claridão』と2014年の『Vista Pro Mar』)を出しており、The xxやLana Del Reyとステージを共にし、さらにはトロピカリアの重鎮Tom Zé(トン・ゼー) の楽曲をプロデュースした経験を持っている。


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Sonnenberg(ゾンネンベルク)
本名:マルシン・ゾンネンベルク
国:ポーランド
居住地:ワルシャワ
音楽ジャンル:ポスト・ダブステップ
スキル:プロデューサー

 

ポーランド人のプロデューサー兼パートタイムの哲学者であるMarcin Sonnenberg (マルシン・ゾンネンベルク)は、無数にいるポスト・ダブステップのベッドルーム・プロデューサーの中から抜け出そうとしている。彼のアプローチは、ブリストルのトリップ・ホップとJames Blakeの特異なサウンドを核とし、その他に同郷の新鋭であるEltron John(エルトロン・ジョン)や、アメリカの新種の風変わりなフォーク、Hyperdubの作品群などにも感化されている。これらの影響を蒸留し、Sonnenbergが曲を作るのに使用するのは、ピッチベンドされたシンセ、軽快なパーカッション、艶のあるR&Bサンプル、そして彼が愛着を持っている、ビートメーカーになりたての頃に夢中になった傷だらけのヒップホップ・レコードを思い出させるサーフェイス・ノイズ(チリ音)などだ。


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SUMORAI(スモライ)
本名:ヴィクトー・ヤース
国:スウェーデン
居住地:ヘーエー
音楽スタイル:ハウス、ニュー・ディスコ
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家

 

Viktor Jers(ヴィクトー・ヤース)が、SUMORAI(スモライ)として制作するディープでエレガントなハウス楽曲は、削ぎ落とされたサウンドに十分な音響的スペースを持たせ、アナログの鼓動を鉛筆の線のようにきめ細かく仕上げた、建築物の見取り図の様だ。このように洗練された音楽が、パンクやファンク・バンドで活動してきた者によって作られているという点は興味深く、Jersが平均的なハウス・プロデューサーとはひと味違うことを明確にしている。3人組のエレクトロニック・バンド、Rune Rymd(ルネ・リムド)の一員としても、Jersはコミカルなシンセのループ、ダビーなテクノ・コード、潰れた303の音、その他の収集したエレクトロニック・ノイズを使用してディープなサウンドを追求している。スウェーデン人の彼の音楽には、作曲に対する明瞭なアプローチとクラシック趣味が発揮されている。


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Summer(サマー)
本名:サマー・ディスブレイ
国:オーストラリア
居住地:ベルリン
音楽ジャンル:チルアウト、ハウス、R&B
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家、ヴォーカリスト

 

Summer Disbray(サマー・ディスブレイ)が行う広範囲な音楽実験は、晩年のソウルの偉人たち、ハイブリッドなR&B、シンセ・ポップや光沢に満ちたエレクトニクスをヒントにしている。時に大道芸人でありグラフィティ・アーティストでもある彼女の、低くソウルフルなヴォーカルは、友情や失った手袋を歌うインディー・フォークといかにも相性が良さそうだが、Disclosure調のクラブ・トラックにも合わせることが出来る。このオーストラリア生まれでベルリンに移り住んだ多才な演奏家でもあるプロデューサーが、同地のdBs MusicにてDJとエレクトロニック・プロダクションについて学んだということに驚く者はいないだろう... そしてロウ・ヴィーガン・チーズケーキの作り方をマスターしたということにも。


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Fred (フレッド)
本名:フレッド・ギブソン
国:イギリス
居住地:ロンドン
音楽スタイル:ポスト・ダブステップ、オルタナティブ・ポップ、ビーツ
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家、ヴォーカリスト

 

1993年生まれのFred Gibson(フレッド・ギブソン)は、短いキャリアの中で既にそうそうたるメンバーとのコラボレーションを果たしている。Sinead O’ConnerやDamon Albarnらへはスタジオ技術を提供し、またBrian EnoとKarl Hydeの共作アルバム、『Someday World』ではプロデュースと作曲で参加している。しかしながら、これらの圧倒的なプロジェクトの羅列は、ともすれば彼の本来の魅力を覆い隠してしまいかねない。UKヒップホップのレジェンドであるRoots ManuvaやSkinnyman、HyperdubのBurial、さらにはWagner(ワーグナー)やMahler(マーラー)といった作曲家から同等の影響を受けたというFred、彼の音のニュアンスや作曲に対する理解は、他のシンガー・ソングライターにとってはかけ離れていると感じるようなスタイル間に根ざしているのだ。さらに、Fredの音楽は彼が慣れ親しむ夜のロンドンを反映している。リズムで満たされた彼のサウンドスケープは時に気分屋かもしれないが、その中にもある種の静けさが感じられるのは、夜のロンドンが世界で一番美しいサウンドトラックであるという彼の想いが表れているからだ。


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Tollcrane(トールクレーン)
本名:タルハ・アシム・ワイニー
国:パキスタン
居住地:カラチ
音楽ジャンル:テクノ、エクスペリメンタル
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家

 

制約は偉大な芸術を生むと言われているが、それが本当かどうかはMatthew Herbert(か、もしくはGeorges Perec)に聞いてみるといい。このことを踏まえると、Tollcrane(トールクレーン)が、快適とは言い難い環境の中で才能を開花させたことにも頷ける。カラチ出身のTalha Asim Wynne(タルハ・アシム・ワイニー)は、パキスタン政府がYouTubeを禁止したことで彼の最大の音楽プロダクションについての情報源を失った。しかし、これによって彼のユニークなスタイルの電子音楽への探究心が損なわれることはなかった。それは徹底的に直感的であり、錯乱しているかのように間違っている。かつてはバンド//orangenoise(オレンジノイズ)でサイケ・ロックをプレイしていたが、同様の限界に挑戦する姿勢はTollcraneのソロ作品からも伺える。それはMoodymann、Sun Electric、Actress、Pattenといったダンス・ミュージックの端っこを突き進むプロデューサーたちを、波線で結んでいくような音楽だ。


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Torus(トーラス)
本名:ヨーリ・ウードストラ
国:オランダ
居住地:デン・ハーグ
音楽ジャンル:ダウンテンポ、アンビエント
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家、ヴォーカリスト

 

Timbaland、 Philip Glass、 Wanda Group、 DJ Mustard、これらが全く異なる個性であることは明白だが、Torus(トーラス)という名義で、遠いところにトリップさせてくれるような音楽を作るJoeri Woudstra(ヨーリ・ウードストラ)にとっては、全員が同じパターンの一要素である。現在はオランダのデン・ハーグを拠点にするWoudstraは、ウィレム・デ・クーニング・アカデミーでグラフィック・デザインを学んでいた際にTorusと名乗ることを決めた。デザインをバックグラウンドに持つことは、彼の「空白」の使い方に表れている。彼の曲はまるで広く解放された空間のようであり、Clams Casino(クラムズ・カジノ)やNoah “40” Shebib(ノア・""40""・シェビブ)を思い出させる。ヴォーカルはピッチベンドで極限までストレッチされている。著名なプロデューサーは皆そうであるように、Woudstraもまた、常に次なるサウンドを探し求めている。


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Uio Loi(ウイオ・ロイ)
本名:カイル・ヤーホット
国:アメリカ
居住地:ミネアポリス
音楽スタイル:J−ポップ、ハウス、テクノ、グリッチ
スキル:プロデューサー、演奏家

 

ブラック・メタルで音楽を始め、その後アンビエントとゲーム音楽に影響されたダンス・ミュージックを作っているという人物の、自由奔放さと寛大さには称賛を送るべきだろう。ミネソタ在住のKyle Yerhot(カイル・ヤーホット)はまさにそんな異例の音楽遍歴の持ち主であり、彼がUio Loi(ウイオ・ロイ)として生み出している卑猥なグルーヴはZoom Lens、Mi Ajira、Opal Tapesといったレーベルから発表され人気を集めている。既に14歳の頃から自分の作品を作曲、レコーディングしてきたというUio Loiの独特なエレクトロニック・ビートは、彼が崇拝するYellow Magic OrchestraやAphex Twin、Daedelus(そして気分によってはDebussyを取り入れることもある)などを踏襲した、いい意味でのJ-pop的な華麗さを持ち合わせている。


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Valesuchi(ヴァレスーチ)
本名:ヴァレンティナ・モンタルヴォ・アレ
国:チリ
居住地:サンティアゴ
音楽ジャンル:テクノ
スキル:プロデューサー、演奏家、ヴォーカリスト

 

ポルトガル語では、去ってしまった者に対する深い思慕の念を「saudade(サウダージ)」と表現する。チリ出身のプロデューサー、Florencia Valentina Montalvo Alé(フロレンシア・ヴァレンティナ・モンタルヴォ・アレ)、もしくは略してValesuchi(ヴァレスーチ)は、この感情をそのプロダクションに込めている。彼女の、ダークで煙たいダンスフロア起爆剤は、愛、情熱、機械、危険に溢れ、それでいながら、クラブ・ミュージックがまだ生々しく無邪気だった頃のリズムへの憧れも聴き取れる。彼女は、自身の曲のひとつを、「失恋したDam-Funkが夕日に向かって走るところ」を音楽で表現したような感じと説明しているが、他にはベルギーのEBM(エレクトロニック・ボディー・ミュージック)、Omar-Sのデトロイト・ハウス、クンビアなどに影響を受けている。長年インディー・ロックのクラブなどでプレイしてきた彼女は、Matias Aguayo率いるCómeme一派と出会い、Valesuchiの汎トロピカルでプロト・ディスコな未来のヴィジョンを分かち合うようになった。Valesuchiは、DJ以外にも、映画制作やチリのエレクトロニック・レーベルDiscos Pegaosのミュジーック・ヴィデオ制作にも携わっている。


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Watercolours (Chelsea Jade)  ウォーターカラーズ(チェルシー・ジェード)
本名:チェルシー・メトカーフ
国:ニュージーランド
居住地:オークランド
音楽ジャンル:ドリーム・ポップ
スキル:プロデューサー、演奏家、ヴォーカリスト

 

オークランド出身のアーティスト、Watercolours(ウォーターカラーズ)は異なる音楽的インスピレーションの源を求めて遠くまで旅をしてきた。でもそれが出来ないときは、空想の中で旅に出る。2013年にリリースした彼女のデビューEP内の1曲では、彼女はスタジオに木の板を持ち込み、完璧なループを求めて、力尽きるまでタップ・ダンスを踊った。フィールド・レコーディングは彼女のトレードマークであり、京都の駅で録音した女性駅員のアナウンスや、夜中に樹から吊るした数百もの木鈴が鳴る音などが楽曲に使用されている。ニュージーランド音楽賞の批評家賞を2012年に受賞した後、彼女はドリーム・ポップやダンスフロア仕様の冒険的音楽を手掛ける個性派プロデューサーたち、Jeremy Toy(ジェレミー・トイ、「She’s So Rad」、バンドOpensouls)やBoycrush(ボーイクラッシュ)らとコラボレーションし、後者とは「Secrets」という曲に客演した後、ツアーも共に回った。2014年2月に、2人はニュージーランドの代表的インディー・レーベルであるFlying Nunからスプリット7インチをリリース。最近ではCat Power、LordeやDirty Projectorsらの前座も務め、Watercoloursの印象深い音は広く浸透し始めているようだ。


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WIFE(ワイフ)
本名:ジェームス・ケリー
国:イギリス
居住地:ロンドン
音楽ジャンル:ビーツ、ブラック・メタル、ポップ
スキル:プロデューサー、演奏家、ヴォーカリスト

 

James Kelly(ジェームス・ケリー)の音楽を形容するのは難しい。それというのも、彼の作品に共通する確かな資質といえば、空間的な広大さくらいしかないからだ。このことは、Kellyがアイルランドの田舎で生まれ育った事と関係があるかもしれない。ゆっくりとしたペースの生活の中で、彼はまずギターを学び始め、その後ドラム、キーボード、ベース、そしてチェロの演奏を修得するに至った。WIFE(ワイフ)という名義で音楽を制作し、Kellyがこうした楽器と、多彩な音のループやかすれたメロディーを組み合わせて作り上げる音楽は、クラブ音楽ともバンド音楽とも言い難い。WIFEとしての彼は、ブラック・メタル・バンドのAltar of Plagues(アルター・オブ・プレイグス)のフロントマンをしていた頃とは大きく異なるが、そのドラマチックさやスケール感は変わっていない。WIFEのデビューアルバムが、Tri Angleから発表された事も驚くには当たらないだろう。Tri AngleといえばWIFEのように、風変わりで見知らぬ領域へ導くようなエレクトロニック・ミュージックのハブとなっているからだ。


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Xosar(ゾーサー)
本名:シーラ・ラーマン
国:ドイツ
居住地:ベルリン
音楽ジャンル:テクノ
スキル:プロデューサー、ヴォーカリスト

 

幼い頃に地元のラジオ局で放送されていたハウス・ミュージック番組の魔法にかかってからというもの、Sheela Rahman(シーラ・ラーマン)はXosar(ゾーサー)というアーティスト名を名乗り、ダンスの世界の魔女としての活動に身を投じることにした。エレクトロニック・プロダクションの薄暗い片隅や不気味な隙間に深入りしていくような曲作りを信じて実践してきたRahmanは、2013年に3枚のEPをそれぞれL.I.E.S., Rush Hour、Crème Organizationからリリースし、その才能を世に知らしめた。Electribeで作ったビートと、超常現象的な空気感と組み合わせることを得意とするRahmanのスタイルは、リスナーを優しく誘惑しながらも、何か霊的な余韻を残す。


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Zebra Katz(ジブラ・キャッツ)
本名:オージェイ・モーガン
国:アメリカ
居住地:ブルックリン
音楽スタイル:ヒップホップ
スキル:プロデューサー、ヴォーカリスト

 

マルチメディア・パフォーマーからラッパー兼プロデューサーに転身したOjay Morgan(オージェイ・モーガン)には、長い紆余曲折があった。Lana Del ReyやAzaelia Banksらを生み出した、エレクトロ寄りでファッショナブルなニューヨークのシーンから頭角を現してきたこのブルックリンっ子が最初に注目を集めたのは、2012年にDiploのレーベルMad Decentからリリースしたミニマリストなヒット曲、「I’ma Read」だった。そのプロモーション・ビデオはYouTubeで100万回以上の再生を記録し、パリのファッション・ウィークでのRick Owensのショーに使用され、Tricky、Gangsta Boo、Busta Rhymesにリミックスされるに至った。その後も精力的に活動を続けている彼は、ヘルシンキのベース系レーベルとして知られるSignal Lifeや、UKのハウス・レーベルMTA Records、自身のレーベルZebra Trackzから作品を発表している。


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Zopelar(ゾペラー)
本名:ペドロ・エンリケ・ペレイラ
国:ブラジル
居住地:サンパウロ
音楽ジャンル:ローファイ・ポップ、エレクトロニカ、ディスコ
スキル:プロデューサー、DJ、演奏家、ヴォーカリスト

 

かつて、サンパウロのテクノ・クラブD-Edgeのレジデントとして活躍していたZopelar(ゾペラー)は、地元のクラブ・シーンをよく把握している。だが、ヴィンテージのシンセやドラムマシンの虜になった彼は、次第にDJブースからも既存の枠組みからも離れていった。彼は近年、壮大なCarpenter的ディスコを制作し始め、その温かみのあるアナログな響きは、ChromaticsやLegoweltなどのファンを惹き付けている。その一方で、彼は自身が運営するMAWW Recordsでは、多様な先進的ポップの作曲とプロデュースも手掛けている他、L_cio(エルシオ)と共にライブ・テクノ・プロジェクトGaturamo(ガトゥラモ)としても活動。彼がÉrica Alves(エリカ・アルヴェズ)と共作したアルバムでは、彼のローファイでくすんだ、ビーチ感あるグルーヴへの愛情を発揮しており、そちらはJohn MausやBeach Houseのより明るい作風を彷彿とさせる。


http://www.facebook.com/zopelar
http://mawwrecords.bandcamp.com
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