六月 02

Red Bull Music Academy SessionがTAICOCLUB’14にて開催

2014年5月31日から6月1日にかけて、長野県のこだまの森にて野外フェス「TAICOCLUB’14」が開催された。今回は、2つのステージに加えてレッドブル・ミュージック・アカデミー(以下RBMA)のブースが登場、Red Bull Music Academy Sessionが開催された。本イベントでは、サカナクションの山口一郎氏と、ミニマル・テクノの第一人者であるダニエル・ベル氏によるレクチャー、そしてRBMAによるドキュメンタリー映画『What Difference Does It Make? A Film About Making』の野外上映会が行われた。


Red Bull Music Academy Sessionの開幕を飾ったのは、今回でTAICOCLUB2度目の出演となるサカナクションのボーカル/ギターを務める山口一郎氏。サカナクションは、邦楽メジャーシーンの前線を突き進み、全国の様々な大型ロックフェスへの出演を経験してきたと同時に、ワンマンライブでは「クラブの低音」の再現のためにサブウーファーを数十台設置、アルバムの試聴イベントではAOKI takamasaをDJに招き、ロックリスナーにクラブミュージックを体感してもらう等、クラブ的なアプローチも積極的に行ってきた。今回のレクチャーでは、バンドのサウンドプロダクションの話や、日本のメジャーシーンの現状についてなど興味深い話が続き、山口氏のアーティストとしての熱意、そして音楽シーン全体へ新たなアプローチを投げかける探究心が覗えた。レクチャーの後半では、アーティストが主体となって開催されるレイブ・パーティという構想を披露し、「いつか必ず実現したい」と発言。サカナクションの、そして日本の音楽シーンの今後に大きな期待を抱けるレクチャーとなった。


夕刻には、ミニマル・テクノの第一人者のひとり、ダニエル・ベル氏が登壇。自らの生い立ちを交えながら、自身の活動の源流であったファンク・ミュージック、シカゴ・ハウス、そしてスティーブ・ライヒを実際にプレイしながらレクチャーは進行。また、自身のライブ・パフォーマンスについての話になると、ラップトップ・レスの環境へのこだわり、そして現状のエレクトロニック・ミュージックのライブに対し、アーティストと観客の間に存在する「大きな机(DJ/ラップトップブース)」について、ユニークな見解を語った。レクチャーの最後には今後リリース予定の音源を披露し、活動初期から変わらない自身の確固たるコンセプトについて語った。

日が沈み、辺りがゆっくりと夜に包まれていく頃、『What Difference Does It Make? A Film About Making』の野外上映会が始まった。2013年にニューヨークで開催されたRBMAの実際の様子を交えながら、ブライアン・イーノやジョルジオ・モロダー、リッチー・ホゥティン等といった著名アーティストのインタビューを通じ、アーティストが音楽と共に生きるということについて投げかける、長編ドキュメンタリー映画だ。「TAICOCLUB’ 14」のメインステージからほど近い位置に設置されたRBMAブースであったが、ひとたび映画の上映が始まると、周りの空気は研ぎ澄まされたように感じられ、多くの観客は芝生に身体を投げ、リラックスしながらも映像に釘付けになっていた。

今年秋にはRed Bull Music Academy 2014が東京で開催される。今回の「TAICOCLUB’14」にて開催されたRed Bull Music Academy Sessionでのレクチャーと映画の上映は、秋の開催を一段と期待させるプログラムとなった。

追ってさらに詳しいレポートがあがります。乞うご期待!

文:和田瑞生