四月 17

Rainbow Disco Club、その思想と今年の展開

オーガナイザーの土谷正洋氏にインタビュー

Interview By Yoshiharu Kobayashi (The Sign Magazine)

 

 

一年を通して多種多様なフェスが開催されている昨今の状況においては、クラブ・ミュージックを中心に据えたフェスティバルも決して珍しいものではなくなった。しかし、アーティストの集客力やネーム・ヴァリューには捉われず、クラブのリアルな現場感覚を反映したラインナップにこだわっているイベントは、数えるほどしかないだろう。今年で5年目を迎えるRainbow Disco Clubは、間違いなくそのうちのひとつだ。

 

2010年の第一回は8年ぶりに日本の地を踏んだDJ Harveyをヘッドライナーに迎えて盛大に開催されたものの、その後二年間は自然災害の影響で中止。しかし、日中は晴海客船ターミナル、夜は渋谷のWOMBとSECO barに会場を移して計24時間以上の超ロング・パーティとして開催された昨年は、大勢のオーディエンスに歓迎される形でドラマティックな復活を遂げている。無数のフェスが生まれては消えていく新陳代謝の活発な今、3年のインターバルが空いたフェスが成功するのは簡単なことではない。それが万人向けの分かりやすいラインナップではないとなれば、尚更だ。だが、それでもRainbow Disco Clubが見事復活を遂げ、今年もめでたく開催されることになったのは、やはり出演アーティストとその音楽に対する主催者側の熱意が、届くべきコア層にしっかりと届いたというのが大きいのだろう。それは中規模フェスの理想的な形のひとつだと言える。

 

今年は4月29日(火・祝)のデイ・タイムに晴海客船ターミナルにて開催されるRainbow Disco Club。RDC STAGEとRED BULL MUSIC ACADEMY STAGEの2ステージで、出演者は計10組という少数精鋭の濃密なラインナップだ。約二週間後に迫った開催に先駆けて、オーガナイザーの一人である土谷正洋氏に、昨年と今年の話を軸としながら、Rainbow Disco Clubの姿勢やそこに賭ける思いを語ってもらった。

 


― 昨年は3年ぶりにRainbow Disco Clubの開催が実現したわけですが、実際にやってみて手応えはいかがでしたか?

 

当日の朝、晴れていて、やっと始まるんだなっていう時は、やっぱり特別な感覚がありました。毎年順当に開催出来ていたら感じなかっただろう気持ちがあって。ただ、それって、自分達の中だけでのことなのかと思っていたら、そうではなかったんです。2年連続中止になったことが、思っていた以上にいろんな人の心に残っているな、という感覚がありました。というのも、前二回の経緯もあってのことなんだろうなと思えるほど、お客さんのマナーもよかったんですよ。Rainbow Disco Clubは開催されて当たり前じゃない、っていうふうにみんなが感じていたのかなって。結果、それで凄くいいものになりましたね。

 

― 過去2回の中止が、いい意味での影響を昨年度のRainbow Disco Clubにもたらしたということですね?

 

そうです。あのまま去年やらなかったら、本当にただの悲しいお話というか(笑)、残念だったね、っていうだけだったと思うんです。でも、ここは踏ん張って、意地でもやるんだ、くらいの気持ちでした。もちろん、屋根があって雨風がしのげる場所での開催も考えたんですが、結果的にここで頑張ってよかったと思いました。たくさんのお客さんに集まってもらえましたし。振り返ると、凄く体力的にしんどかったんですけど、やっぱりやってよかったと思いましたね。期待してくれている人達がたくさんいてくれたっていう。過去二回は、昨年がよくなるための布石だったのかなって思えるほどでした。もちろん、過去二回も開催出来たらそれが一番よかったんですけど、実際は悪いことばかりじゃなかったのかなと。DOMMUNEの宇川さんにも、「よくやるよな、お前ら」って言われましたけど(笑)。

 

 

― 実際に、お客さんからの反応はどうでした? かなり手応えがありましたか?

 

はい。でも、本来こういうイベントって、賛否両論であるべきだと思っているんですよ。いいと思う人もいれば、全然いいと思わない人もいて。そういうものが凄くフラットに、今で言えばSNSを使って反映されていくものなんだろうと思っていたんですが、実際はみんな、凄くいいことばかり書いてくれていて、ほとんど批判がなかったんです。パーティって最終的には絶対お客さんが作るものですよね。僕らの手を離れたところでいいものになっていくかどうかは、お客さんが全てですから。そういう意味で、いろんな思いが僕らにもあるように、それがお客さんにもあって、いい形になったな、というのが一番感じたことでしたね。

 

― 去年は開催方法が特殊だったじゃないですか。日中は晴海客船ターミナルっていう野外でやって、夜はWOMBやSECO Barという屋内スペースでやって、っていう。実際にそういった形で開催してみて、どうでしたか?

 

大変でした(笑)。まず体力的に大変です。ああいった形式は、東京だからこそ出来ることですよね。東京の街の特性を生かすっていう意味で、いいことだとは思うんです。ただ大変なのは、晴海を素晴らしいラインナップにするのはもちろん、WOMBやSECOも晴海に負けないくらいのラインナップを組まなくちゃいけないし、みんな晴海からどうやって移動してくるのかな、とか。「これ、俺達、終わった後、また撤収で晴海に戻るのか」とか(笑)。で、それぞれの会場で順調にいかないこともやっぱりありました。「あのアーティストはいつ着くんだ?」とか、「あの機材がないぞ!」とか。でも結局、SECOは昼までやりましたからね。昼に終わって、またみんなで晴海に戻るっていう。それで撤収を終わらせて、みんなで居酒屋に行って、日が暮れたくらいで解散したのかな。それが終わって、上海に行きましたからね。これを始めてから、お花見が出来なくなったし、ゴールデン・ウィークがなくなったし、かと言って振替休日がもらえるわけでもなく――って考えると、いろんなものを犠牲にしているような気はしますよね。でも、全然そんなものは要らないから、これをやらせてくれ、っていうくらい、Rainbow Disco Clubに関しては思い入れが強いんです。

 

― では、そのRainbow Disco Clubの去年の内容に、無理やりに点数をつけるとしたら、何点になりますか?

 

う~ん、けど、足りない部分はいっぱいありました。過去二回の中止をアドバンテージにしてくれたおかげでいいものにはなったんですけど、中で作っている人間からすると60点くらいかな。そんなにたくさんあったわけではないんですけど、やっぱりトラブルもあったし、それに対するケアが遅れてしまった部分もあったし。もっとよく出来たよね、っていう点はたくさんありましたから。毎回そうなんですけど、直前にバタバタすることもあったりとか。自分が主催者の一人で、呼んでいるアーティストも最終的に僕が判断していることもあるのに、僕はほとんどアーティストに会えていない。そういうのも、すごい減点です。Prins Thomasとか次で三回目ですけど、話したことあるのは一回くらいですからね。自己紹介して、タバコに一本火をつけて終わり。しかも彼がDJやってる最中っていう(笑)。

 

― 今年は去年とはだいぶスタイルも違いますよね。去年みたいに場所を移動してイベントが続くスタイルではないし、出演アーティストの数も違う。で、今年は、昨年を踏まえてなのか、そうでないのかはわかりませんが、どうしてこのような形での開催になったのか、教えてもらえますか?

 

まず日程ですね。ゴールデン・ウィークの入り口で4月29日になったこと、これが一番大きかったです。翌日が平日ですから。繋げてお休みを取っている人もいますけど、基本的には皆さん、お仕事をされている可能性が高い。そうなると、去年みたいに3つの会場でひとつのパーティを作ります、みたいな考え方は難しい。なので、去年みたいな形での開催は合わないと判断しました。アフター・パーティはやるんですけどね。で、物理的にそういう開催方法が出来ないとなると、出演出来る人数も自ずと限られてしまう。そうなると大事なのは密度だと思っていて。最初はRDC STAGEだけで、と考えていたくらいですから。もしRED BULL MUSIC ACADEMY STAGEがなかったとしたら、もう5組だけっていう密度。これだけ世の中にたくさんいいアーティストがいるのに、その中から5組を選ぶっていうのは、やっぱり難しいですよ。去年よりも今回の方がブッキングは大変でしたね。大変っていうのは、作業的な問題ではなくて、出てもらえる枠の少なさ故に、です。頭を悩ませるっていう意味では、今年の方が遥かにしんどかったです。

 

― 実際、そのようにしんどい中で、今回のラインナップはどのように決めたんですか?一番重視したポイントは?

 

一番は、「Rainbow Disco Clubってどういうイベントだろう?」って、いつも客観的に考えてみるんですよ。お客さんはどんなのが好きなんだろうって、お客さん目線で考えたアーティストを書き出していくんです。Hessle AudioとMagic Mountain Highに関しては、なかなか呼びにくいじゃないですか。スケジュールも大変ですし、人数も多くて。そういうのもあって、観たいだろうなとか、観れたらいいなってみんな思っていると想像したりして。もちろん僕自身も観たいですし。なので、客観的にと言いつつも、私情が挟まっているところもあるんですが。Prins Thomasに関しては、今回三回目なんですけど、実は晴海で一回もやれていないので、僕としては彼に晴海に出てもらいたいと思っていました。Moodymannは実現するのに二年掛かっているんですよね。前回交渉して、行けそうだったんですけど、やっぱりダメで。でも、またお願いしてみて、またダメかも、って言われそうになったんですけど、OKって言われるまでやるぞ、とか(笑)。もう家に行こうかな、くらいの気持ちでした。ただ、向こう側もアルバムのリリースがあるんでツアーを考えていたりとか、そういうのもあったので簡単ではなかったですね。そう、今回はちゃんとリリースがあって、ちゃんと作品がよくて、っていう人達を呼びたい、とも話していました。Moodymannはアルバムがリリースされて、Magic Mountain Highも『Live At Freerotation』が出て、Prins Thomasはこれから出ますし、Hessle Audioの三人はレーベル自体が凄く好調ですから。で、SISI君は僕らのアイドルなので(笑)。僕らのアイドルはアイドルのまま、ちゃんとやってくれれば、今回もいいプレイになるだろうし。そんな感じです。

 

― でも本当に豪華な並びですよね。少数精鋭でぎっしりと詰まっている印象を受けます。

 

そうなんですよね。だから、本当にオープンから来てほしいですよ。これ、去年も言ったんですけど(笑)。アイデア的には、他にもたくさん呼びたいアーティストはいたんです。でも、あんまり細々と詰め込んだり、フェスでよくある一時間プレイみたいなものはやりたくありませんでした。ライヴのアーティストだったり、向こう側の指定で一時間っていうんだったら、それでもいいんです。でも、こっちがある程度決められる場合は、あんまりみっしり入れても、と思っていましたね。DJだったら一時間じゃ10曲くらいで終わってしまう。でも、そのために長時間、飛行機に乗ってきてプレイしてもらうって考えたら、やっぱり長い時間プレイしてもらいたいじゃないですか。と言っても、みんな二時間くらいなんですが、その一時間の差は大きいと思っています。

 

― しっかりと時間の余裕があってこそ、DJはセットの流れを作ることが出来るし、オーディエンスにはそれを体験してもらいたい。そこを表面的な豪華さや賑やかさより優先したい、ということですよね。

 

そうです。タイムテーブルをキツキツにしないと規模がキープ出来ないのだとしたら、きっとそれは僕がやりたいものではないんだと思います。Rainbow Disco Clubの出演者は、DJとかクラブ系のアーティストが多いわけじゃないですか。だからヒット曲は3分じゃなくて、6~7分あるものも多い。瞬間的にポンッと盛り上がるわけではないんですよね。長い時間そこにいることで、少しずつ体が音楽に馴染んでいくとか、少しずつその人のDJに引き込まれていくっていう感覚が大事なんです。

 

そう言えば、この前、Henrik Schwarzに初めて会ったんですけど、それなのに僕のことやRainbow Disco Clubのことをよく知ってくれていて。そういうふうに、ちゃんと広がっているのを実感出来たのは嬉しかったですね。僕らのやり方や考え方は間違っていないっていうのは、そういう節々で感じることが最近出来ています。

 

― ただ、そういった姿勢を貫くことで信頼を得ていると実感できる一方で、自分がオーガナイザーという立場だと、これで果たしてちゃんとお客さんが来てくれるのか、と不安になることはありませんか?

 

あ、もう、いつも不安です。今この瞬間にも不安はありますね。もうね、みんなもっと早くチケット買ってもらいたいです(笑)。

 

― 特にクラブ系のフェスだと、直前や当日にチケットが動く傾向が強いですからね。

 

そうなんですよ。本当に体に悪いんで、チケットを購入されて遊びに来られる方は、天気予報を細かくチェックしないで、僕らに預けてほしいです(笑)。今年はRED BULL MUSIC ACADEMY STAGEは屋内ですし。あっ、開催日の4月29日は晴れるんですって。

 

―ハハハッ(笑)。

 

いや、僕、過去20年のウェザー・レポートをチェックしていて、それを見てみても雨が降っていないんですよ。2005年なんて暑い年で最高気温が28度もありましたし、ここ10年くらいは気候がいいんです。だから晴れるんですよ。みんなそういうところを心配しないでほしいですね(笑)。

 

― でもやっぱり、そのフェスを応援したい、もしくは来年以降もそのフェスを継続して楽しみたい、と思うのであれば、事前にチケットを買っておくっていうのは、すごく有効な意思表示の方法だと思いますけどね。

 

いや、本当に。早割チケットをやるようになって、それはより強く感じるようになりました。チケットを買ってくれた人、その一人ひとりにお礼を言いたいくらいです。一番最初にチケットが発売された時に買ってくれるっていうのは、彼らの意志の表れとして僕らに伝わるので。もちろん、最終的にチケットを買ってくれた皆さん全員に感謝しています。でもやっぱり、雨が降ったらどうしようとか不安に思う中で、チケットが発売されたらすぐに買ってくれる人がいるのは嬉しいですね。しかも、実はそういう人がちょっとずつ増えているんですよ。どういう形であれ、僕らがやっていることを信用してチケットを買ってくれるのは凄く嬉しいですよね。

 

 

― 今年は、先ほどもお話に出たRED BULL MUSIC ACADEMY STAGEがありますが、これはどういった経緯で決まったんですか?

 

MUSIC ACADEMYを統括している方とは、別のRed Bullの案件でお会いしていたんですよ。それで、僕は何度かRed Bullのお仕事をさせていただいていますし、パーティを始めた時に最初にサポートしてくれたパートナーがRed Bullでもあったんです。だから、誰よりも僕が翼を授けてもらってるんですよね(笑)。何の実績もない一回目のRainbow Disco Clubからサポートしてもらっていて、それこそ中止になった年もあったにも関わらず、前回も今年も一緒にやってくれると二つ返事でOKしてもらえるような高い関係値を作れていました。そういった経緯で、今回はRED BULL MUSIC ACADEMYでもうひとつステージを作ろうよ、っていうお話をいただいたんです。これは僕、本当に感謝しています。

 

― RED BULL MUSIC ACADEMY STAGEの内容は、具体的にどのように決めていったんですか?

 

テーマとしては、2つのステージのコントラストがはっきりしていて、対極にあるような感じです。RDC STAGEは、外で明るいというイメージ。それに対して、RED BULL MUSIC ACADEMY STAGEは、屋内で密度のある音楽と真っ暗な演出、必要最低限の演出でクールな空間を作るっていうイメージでした。そういった中から、アカデミーの卒業生の皆さんはもちろんですけど、今僕らが凄く一緒にやりたいアーティストに出てもらうことにしました。KUNIYUKIさんは僕らにとって凄く大切な日本のアーティストなので出ていただきたかったですし、San Sodaは単純に僕らが呼びたいっていうところがあって。シークレット・ゲストに関しては、まだシークレットですね。

 

― このシークレット・ゲストはいつ頃発表されるんですか?

 

直前ですね。これは本当にシークレットなので、まだ内緒にさせてください。

 

― 結構ビックリするようなアーティストですか?

 

ビックリ出来るんじゃないですかね。僕が聞かされたら、「えっ、マジで?」ってなるようなアーティストです。だから、最後にシークレット・ゲストが発表されるのは、凄くドキドキしますね。本当に楽しみです。発表されて、最後のパズルのピースがそこにハマることで、お客さんにはどういうふうに伝わるかな、とか。それを考えるとワクワクします。これは乞うご期待ですよ。

 

(RBMA担当者)全体のヘッドライナー級のアーティストと言ってもいいと思いますね。

 

― 楽しみにしています。先ほど、2つのステージの演出の違いという話が出ましたけど、それ以外にも演出などの面で見所があったら教えてください。

 

今年はキー・ヴィジュアルが大きく変わりまして、いろんなものが大きく変わるんですよ。ステージの位置も変わります。だから、演出そのものが大きく変わるんですよね。一番大きなところで言うと、ステージが今までの形ではなくなる、位置が変わる、見え方も見せ方も変わる、っていう。より気持ちのいい空間になるんじゃないかなと。開けていて、ゴチャゴチャしていない、というか。

 

― そのように変えようと思ったきっかけは何だったんですか?

 

僕個人としては、「こうじゃなきゃいけない!」っていうルールがないんだったら、ずっとこれまでのままである必要はないよな、っていう感じでした。「もっとこう出来るんじゃないか?」とか、続けていると出てくるわけで。「だったら、こうした方がよくない?」っていうアイデアがあって、実際に変えられそうだったので変えてみたという感じです。まあ、去年と全部同じでやってしまえば楽ではあるんですよ。実際、今年は凄く大変で、当日まで後三週間くらいしかないのに、まだバタバタしてたりするんですけど(笑)。ただ、今の時点では、「こうしてよかったね」って喜んでもらえる結果を作れるような気がしています。

 

― 演出以外の部分で注目ポイントを挙げるとすれば?

 

(RBMA担当者)あとは音ですね。フェスに行くと、クラブの方が音がいい、っていう人が絶対にいるじゃないですか。そういう人を全員黙らせる。

 

― おおっ。

 

既にサウンドシステムのチェックもやっているんです。ageHaが何もやっていない時にわざわざ持って行って、チューニングも終わりました。凄く(いい音が)出ていたと聞きましたね。そのために、セットアップをデフォルトの状態から変えて、出演者に合わせてシステムをちゃんと組んでいるので。最新システムが入るから、そういうところも期待してほしいです。去年来てくれた人ほど、今年の変化に気付くと思うので、楽しみにしてもらいたいなと思いますね。

 

 

― わかりました。Rainbow Disco Clubは今年で5年目になりますけど、中止になった年もあったとは言え、5年間続けることで見えてきたこともあると思います。どういった規模感で、どういった人達に向けて、どういったものを届けたいのか、または届けられるのか。そういったことがより明確になってくる時期なんじゃないかと思うのですが、そこのところはどうですか?

 

僕らの場合はまず、こういったアーティストを呼びたい、だからそれに合わせた規模感でやるべきだ、という発想をしています。規模だけを大きくしていこうとすると、必ず自分のやりたくないこともやらなきゃいけなくなるし、無理が生まれてくる。そういうことはしたくないんですよ。そうした方がお金は儲かるかもしれないですけど。僕らがやりたいことをまずは前面に出して、それを理解してくれる人がどれくらいいるのかを僕らの中で明確にしたうえで、規模を考えているんです。だから、大きくするためにやることはないし、逆にクオリティや密度は毎回高いものにしたいと思っています。それを理解してくれるお客さんが年々増えてくれているのは嬉しいですが、増えてもらうためにはいいものを作らなくちゃいけない。そういう「いいもの」を作るために僕らはやれたらいいな、と思っています。

 

― 確かに、Rainbow Disco Clubはクオリティ・コントロールを何より重要視しているのは伝わってきます。

 

そうなんです。でも、たぶん、みんなこういうことはやりたがらないんですよ、お金にならないですし(笑)。

 

― 良い悪いは別にして、お金儲け目的でフェスをやる人は少なくないですからね。

 

今の時代は多いんじゃないですか。現場が大事になってきているし、世界的にフェス・ブームだと思いますし。でも、そういうのに乗じて遊びに来てくれる方も、「こういうフェスもあるんだ、こういうのもなかなか悪くないな」って思ってもらえたらいいですね。僕らの考えを押し付ける気は全然ないんです。ただ、僕らは主張はしますけどね。まあ、僕らの考え方もよかったら覗いてみてよ、くらいには思っています。

 

― 最後に凄くベーシックなことを訊かせてください。要するに、Rainbow Disco Clubは自分達がかっこいいと思ったことだけをやる、という姿勢を大切にしているフェスだと思うのですが、それをクラブでのパーティとは別に、フェスでやることの最も大きな理由は何ですか?

 

それはやっぱり、一日のハコでのパーティでは、こんなラインナップを組ませてもらえませんから。僕は、これくらいの規模のことが、こういう感じでやれたらいいんじゃないかな、っていうのを晴海の会場を見て思って。あの会場を見つけた時から、これくらいのことをやりたかったんですよ。今回は当日券8000円で安くはないですけど、払ってよかったと思ってもらえるものを作れる可能性を感じていました。これくらいの規模だと、クラブでよく遊んでいる人にとっては特別な一日を作れると思っています。凄く大型のフェスからすればショボいと思われちゃうかもしれないんですけど、僕らはそういうもので構わないと思っていて。ちゃんと僕らの中で大事なものがそこに入っていればいいんだ、と考えています。だから、僕らが日常的に楽しませてもらっているクラブの延長線上にある、またちょっと違うもの――日常的なものから少しハズれるっていうか、そういう感覚のものであればいいのかなって思いますね。

 

Rainbow Disco Club:
http://www.rainbowdiscoclub.com/

 

Red Bull Music Academy Stage @ Rainbow Disco Club 2014:
http://www.redbullmusicacademy.jp/jp/events/red-bull-music-academy-stage-rainbow-disco-club-2014/