十月 06

LASTorder インタビュー

今年2ndアルバムを発売した話題の若きプロデューサーが、自身の作品作りの秘密を明かした。

数多のカラフルな細かい音の断片がひしめき合い、輝き合い、有機的に絡みあう、まるで万華鏡のような音景色を描くプロデューサー、LASTorder。エレクトロニカやヒップホップを自身のフィルターに通し、カットアップした音素材をエディット感満載に構築し、電子的であり温かみのあるポップなコラージュワークを創出している。当時まだ高校生だった2010年に、Marcus D feat. Shing02の「Parallel Universe」のリミックスを手がけ、一躍注目を集めた彼は、その後2012年にcokiyuの「Haku」のコラボレーション・シングルへの参加などを経て、2013年に1stアルバム『Bliss in the loss』を発表。同年にフリーダウンロード・アルバム『Unreal Dialogue』を配信し、その他リミックスやコンピレーションの楽曲提供を行ったのち、今年の7月にPROGRESSIVE FOrMより2ndアルバム『Allure』をリリースした。10月19日(日)に開催されるEMAF TOKYOのDAY 2への出演が決定している、この21歳の気鋭プロデューサーに、制作に関して、ニューアルバムについて、EMAFについてなど、思いの丈を語ってもらった。

 

最初に音楽を作り始めたのはいつですか?

一番最初に音楽を始めたのは、4歳のころです。ピアノを始めたんです。パソコンで音楽を作るようになったのは、高校2年生ぐらいのときです。家にお父さんが昔バンドで使っていた古いシンセがあって、それで多重録音して遊んでみたらハマって。もっと便利にできる方法はないかなと思って、バイトしてDAWを買ってDTMを始めました。

 

作り始めた当初はどういったアーティストに影響を受けたんですか?

Prefuse 73が凄く好きだったので、カットアップとかしてみたり、真似事みたいなことをしていました。

 

去年1stアルバムとフリーアルバムを発表し、今年2ndアルバム『Allure』を出したわけですが、とても多作ですね。制作のペースは早いほうだと思いますか?

そうですね。なるべく何日もかけないように意識はしています。最初にアイディアとか、軸となるものをその日のうちにパッと作っておいて、まぁそのまま放置しちゃうのもあるんですけど、それを後で音で補って仕上げてくので、実質かかっている時間はあんまり多くないですね。

 

LASTorderさんの曲は音数が多いじゃないですか?どういうときに「この曲は完成だな」って解るものですか?

それは自分でもすごく難しいとこです。出来上がっても後で聴いてみたら足したいなとか、引きたいなって思うことがあるので、どこで終わらすかっていう線引きは未だに難しいです。

 

最新のアルバム『Allure』を制作していたときに、念頭に置いていたテーマやコンセプトはありましたか?

はい。曲の雰囲気よりも、メロディー感を意識して作りました。ビートとか、音響とかよりも。

 

 

1stアルバムをリリースしたときと比べて、自分ではどのように成長したと感じていますか?

1stのときは自分のアイディアとか、音を作って、色々と試してみようっていう、漠然としたノリで作ったものだったんですけど、2ndでは「こういう曲を作ろう」っていうのに向かって作り始めたりしたんで、計画性が備わってきたんじゃないですかね?あえて言うならば。

 

曲が当初の予定とは違うものに仕上がることもありますか?

そうですね。メロディーとかコードは大体考えていたままなんですけど、段々音を足していくなかで、展開が変わったりとか、構成を変えたりとかは良くあります。

 

制作には何を使っていますか?

メインはAbleton Live 8で、ソフトシンセを使ってます。あと昔、アコギとかオルゴールとかを自分で録音したものを溜めているファイルがあるんで、それをよく素材にしたりしてます。サンプリングもよくします。声の素材をあちこちから持ってきて、それを繋げて歌みたいにしてみたり。

 

ライブで心がけていることはありますか?

以前は普通に演奏するように、1曲1曲かけていく感じだったんですけど、最近はちょっと流れを意識してます。DJではないんで別にいいかなって思ってたんですけど、最近はやっぱり1曲1曲よりも全体を気にするようになりました。原曲とまったく同じ、というのはあまりやらないようにしてます。基本的にキーボードを使って、あとはサンプラーとかMIDIコンを使ってやってます。

 

2010年のShing02の「Luv (sic) part 3」のリミックスや、Marcus D feat. Shing02の「Parallel Universe」のリミックスなどで、LASTorderさんのことを知った人達も多かったと思うんですが、Shing02さんとはどういうきっかけで知り合ったんですか?

高校2年生ぐらいのときのことなんですけど、Shing02さんはホームページで自分のアカペラを配布してるんですよ。皆それをダウンロードして勝手にリミックスとかを作ったりしてYouTubeに上げていたんで、僕もやってみてYouTubeに上げてみたんです。「Luv (sic) part 3」だったんですけど、そしたら本人からYouTubeでメッセージが来て、聴いてくれたみたいで。それで、「今新曲やってるんだけどそのリミックスをやってくれない?」って言われてできたのが「Parallel Universe」です。それから、今度ライブやるから来てよって言われてLIQUIDROOMに行ったら、DTM初めて間もないし、機材も詳しく無いのに、無理矢理1曲分ステージに立たされて。(笑)普通に見る側のつもりで行ったら、「ライブでやるからそのとき出てきて」って言われて。思い出深いですね。

 

 

10月19日(日)に開催されるEMAF TOKYO DAY 2での出演が決まったときは、どういうお気持ちでしたか?

「まさか自分が出る側になるとは」って言う感じでしたね。(笑)ありがたいですね。海外のアーティストが多く来るんで、色々見てみたい人がいますし、アプローチできたらなって思ってます。Matthewdavidが凄い好きなんで嬉しいです。

 

他に見るのが楽しみなアーティストはいますか?

1週間前にリリースパーティーをやったんですけど、共演したN.O.R.K.っていう2人組も一緒に出るのが感慨深いですし、TPSOUNDさんも2回ぐらい見たことがあるんですけど、硬い音を出す人でかっこ良かったですね。あと食品まつりさんも京都でご一緒したし、Pianaさんはアルバムで歌ってもらってますので、見たいひとがいっぱいです。

 

DAY 1のほうに出演するsubmerseさんも今回インタビューしています。彼とはイベントで何回か共演していますよね?submerseさんの音楽にはどういう印象を持っていますか?

去年のmetomeさんのリリースパーティーで一緒になったんです。ついこの前、京都でライブしたときも共演しました。submerseさんの音楽は、自分じゃできない音像というか、音の重なりがすごく綺麗だと思いますね。ビートとウワモノの重なり方がカッコ良いです。

 

 

EMAFでのライブはどういったセットにしようと考えていますか?

2ndの雰囲気がわりとしっとりだったので、その香りも残しつつ、もうちょっと前のめりになるような、攻めたセットにできたらなと思ってます。

 

今後目指していることなどあったら教えてください。

今回アルバムに3曲、ヴォーカリストにお願いして歌ってもらった曲があるんですけど、今後はもっと歌モノをやりたいですね。Pianaさんとか凄く好きな方に参加してもらって、尊敬している方々とやるのも凄く良いんですけど、もっとコンスタントに歌で参加してくれるシンガーが、ユニットみたいな感じで常に横にいるのもありかなって考えてます。

 

Text by Danny Masao Winston