八月 07

Bok Bok and Girl Unit: A Conversation

Night Slugsの2人が、今後の方向性や実験的姿勢、時代を超越したポップミュージックに関して語ること。

Night Slugsは現存するレーベルの中でも、最も刺激的なダンスレーベルへと成長した。2010年にBok BokとL-Vis 1990によって開始されて以来、先進的で独創的な音楽や、様々な音響的実験、そして容赦ないほどに効果的なフロアキラーを生み出す場であり続けている。抜け目のないセレクターでありながら、プロデューサーでもある2人の立役者、Bok BokとGirl Unitは過去5年間にわたってアンダーグラウンドを山火事のごとく燃やし尽くしてきた。ヘーヴィーなトラックと汗まみれのダンスフロアーをその軌跡に残しながら。6月末の某日、トロントでギグを控える彼らに、今後の方向性や、実験的姿勢、時代を超越したポップミュージックに関して話を伺った。

 



まずはクラブ建築に関して話を伺いたいと思います。アレックス(アレックス・スション aka Bok Bok)は最近のインタビューで、新曲を”ウェポン(兵器)”と呼ぶことや、”マッシュ・アップ”という言葉など、ダンスミュージックには言葉で表現される部分に男性的でマッチョな文化があると仰ってましたね。建築物としてのクラブの環境もそういった印象に影響を及ぼしていると思いますか?

Bok Bok: そう思うよ。なんと言うか、もしも自分がダンジョンのような場所にいたとしたら、その環境は自分がプレイしたいと思う音楽に影響をあたえるだろうね。それがもし美しい庭のあるクラブだったりしたら、そこでかけたいと思う音楽はもちろん変わるだろうし。

Girl Unit: そうだね。特に野外でDJするときには本当に影響されるよ。周囲の環境に適応しようとするのが人間だから。

Bok Bok: 野外では特定の種類の音楽をかけてしまう。暑い日には特にね。

Girl Unit: 多分そこにある種の美学が添えられるからじゃないかな。そしてそのためにプレイしたくなるのさ。

では、もしも新しいクラブの建設を全権委任されて、Night Slugsのクラブを建てることができるとしたら、それはどのようなクラブになるのでしょう?

Bok Bok: それは素晴らしいプロジェクトになるだろう。少し時間をかけて考えたいね。もしも誰かがファンドを持っているとしたら、実現に向けて是非話をしたいよ。でも今頭の中にあることをそのまま話すことは出来ないな。なぜならこれはとても重大な仕事だからさ。よくわからないけど、様々な要素があった方がいいような気はする。たった今フィル(フィリップ・ギャンブレ aka Girl Unit)が言ったように多様なスタイルを引き出すということだけれど。実際のところ、僕とジェイ(ジェームス・コノリー、aka Night Slugsの共同運営者 L-Vis 1990)で過去に一度か二度、同じ話をしたことがあるんだ。でもそのときのアイデアは今では既に古いものになっているかもしれない。再度考え直して、プランをまとめる必要があるね。

Girl Unit: テクニカルな問題さえ解決できれば、必要なものってそこまでないと思うよ。ちゃんとした照明さえも必要ない。

Bok Bok: 必要ないね。実際のところ、至極シンプルなものになるだろうよ。そういう想像的な部分を全部無しにして考えると、最低限必要なものは暗いスペースだけだ。そして良いサウンド。

理想的なのは、手の加えられていないシンプルな黒い箱ということでしょうか?

Bok Bok: 多分ね。まだわからないけれど。



Club Constructionsシリーズに関する話をしましょう。一般公募の模様はその後どうですか?

Bok Bok: これに関してはちょっと対応が遅れているんだ。理由はこのツアーを始めたときのことなんだが・・いや、それに関してはちょっとここでは話せたものじゃないな。その期間のことに関してはコメントしたくない。とりあえずは、提出されたものにフィードバックを返していくということと、送られてきたものの中からなにかしらをアイデアにまとめるということがほとんどかな。僕たちはこれに関しては長い目で見ている。提出されたトラックのスタイルやクオリティに関していちいち中間報告していくということはしないつもりだ。ただ少しの間待って眺めている必要があるだけだと思うよ。とりあえずは、僕とジェームスで提出してくれた人に返事を書いたり、コネクションを広げたり、そういうことをしてゆくつもりかな。

マニフェストがこのプロジェクトの大部分を占めていると思います。“制約”というのはあなたたちの仕事や音楽にとって、どれほど重要なことなのでしょうか?

Bok Bok: 面白いことに、フィルが(Hysterics名義で)Club Constructionsでリリースしたトラックを作っていた頃には、そんなものは存在していなかったんだ。ただこれらのガイドラインが後々そこにフィットしただけだよ。でもそれは確実に助けになる。僕らがこれを設けた理由は人々が少しだけ努力する余地というのを作りたかったからで。それは制作する上での手助けになると思う。他の媒体のアートにおいても、ガイドラインを設置するということは歴史的に効果を発揮してきたものだしね。それはスタイルを形成することの手助けになるんだ。僕はDJとしても、制限を設けるということが好きで。なぜなら、それは結団力をいくぶんか強め、音を決定づけるからさ。

MJT”をつくったときのアイデアに関して、美しいものをリピートして抽象的にすることによって、それを認識しづらい醜いものへと変える、ということを仰っていましたね。あなたの多くのトラックはそのような実験的姿勢から生まれているのでしょうか?

Bok Bok: あのトラックが、一番新しいEPへとつながるこの方向性に僕を向かわせることになったのは確かだ。でもそれ以前の作品に関してはね・・。場合にもよるけど正直に言うと、そういう姿勢がすべてだったとは言えないな。ほとんどの場合が単純に音や機材やサンプルをいじくって遊んでいただけだから。だけど何かいいものが聞こえたときには、“ヤバい、これいい感じじゃないか”ってなるんだ。創作のプロセスにおいて、複数のアイデアが同時に生まれるような、そういう瞬間。



フィル、あなたの場合はどうでしょう?

Girl Unit: 僕の一曲目のトラック(Hysterics名義でリリースしたClub Constructions Vol.5内の)は予定通りに進まなかったリミックスワークが元になっている。最終的にオリジナル音源から持ってきたサンプルを全部引っこ抜いたら、それがそのまま作品になったんだ。このトラックがレコードのB面の曲にもインスパイアを与えていると思う。丁度そのときに他の名義で何か新しいプロジェクトを始める準備をしていたから、その為に新しいサウンドを定義してそれに合わせてトラックを作る必要があった。だからマニフェストはまだ存在していなかったとはいえ、それが僕が初めて特定のガイドラインをもとに作業をしたときでもあった。

Bok Bok: 正直にいうと、それらは相前後して起きたようなもので。これまでリリースされたシリーズの内容によってガイドラインが定められた訳だから。それ以降はみんなリリースする際にはそれに従わなければならない訳だけれど。でもフィルの場合はそうじゃなかった・・。B面の曲たちでさえも偶然あのような形になったんでしょう?

Girl Unit: おそらくそうだね。一曲目がモデルになったのは間違いないよ。次にリリース予定のHystericsの作品にさえも、そのコンセプトを持ち込もうとしたほどさ。でも完成する頃には既にガイドラインから逸脱したものになってしまっていたけれど。

Bok Bok: それは良いことだ。物事は発展して変化していかなければならない。

Girl Unit: だから次の作品はClub Constructionsとしては出さない。将来的にもう1つ作りたいとは思っているけどね。たまにはコンストラクト(構成)のなかに身をおくのも良いことだから。



それではフィルに新作に関してお伺いします。数年前にあなたとJam Cityがお互いにインタビューをしている内容の記事を拝見したのですが、そのときにあなたがサウンドやテキスチャーを表現するのに使っていた言葉を聞いて、僕は単純に“聞くのが待ち遠しい。”と思わされました。新作について何か教えていただけますか?

Girl Unit: 先ほど話をした内容とはまた異なる形でマニフェストを提示できたと思う。今回は“アルバムを制作するぞ”と決めて取りかかったのだけれど、それはNight SlugsでのメインリリースのためにHystericsの2作目を制作する、ということでもあった訳だから。ほとんどがハウスミュージックを多様な視点からとらえたものだよ。いくつかのトラックはよりトライバルな雰囲気をもっている。Armand Van Heldenのサイドプロジェクトの作品たちや、Circle Childrenの“Zulu”のようなトラックがもっている雰囲気かな。それからRobbie Troncoを出しているニューヨークのレーベルHenry StreetやSex ManiaレーベルのDJ Dukeなど。僕はSound Streamのようなアクトを愛しているんだ。Rouléがリリースしているようなものをね。

Thomas Bangalterの昔のレーベルですね。

Girl Unit: だからとてもタフなエッジーさを備えたものになったよ。僕はそれが好きなんだけど。やっとミキシングを終えたところなんだ。いい感じだと思う。すごく荒々しく始まって、とてもソフトに終わる、そんな作品になった。だけど前作のトレードマーク的な要素もたくさん入っているよ。ざらざらしてインダストリアルなノイズの様相が、うつろで金属的な空気を醸し出しているようなね。

ダンスミュージックのプロデューサー、もしくはDJとして、ユーモアはどの程度重要なものだと思いますか?

シリアスすぎる音楽には、僕は萎えてしまうんだ。- Bok Bok
Bok Bok: とても重要だよ。僕がプレイするのが好きなトラックの中にさえも、たくさんの例を思いつくな。よくわからないけど、クラブでは笑顔で居るのが好きなんだ。それは気分のいいことだろう。シリアスすぎる音楽には、僕は萎えてしまうんだ。僕のかける多くの曲もそう聞こえるかもしれないのは承知で言っているけど、 でもそれは同時にバランスの問題だとも思うんだよね。まさしく人生そのもののようにさ。すべて物事は関連し合っている。電子音楽にはドライな側面があって、それがおそらくユーモアを欠く要素になっているかもしれない。それを常に意識するのはとても良いことだと思う。そして、僕らが好きなジャンルのルーツをたどっていくと、そこにはいつも多くの楽しさがあったはずだよ。

Girl Unit: シリアスなテーマでさえも、やや皮肉的にアプローチされている。

Bok Bok: その通り。それらが素晴らしいそもそもの理由がそれなんだ。生活のストレスや心配事を忘れることが出来る。まさにRod Leeの“Dance My Pain Away”のトラックのようにね。

Girl Unit: ラップやグライムでさえもそうだと思うんだけど・・

Bok Bok: グライムのユーモアのセンスなんてクレイジーだよね!

Girl Unit: そして特にラップは、その気取って振る舞う性質においては、とても演劇的だ。そしてそこにユーモアのセンスは間違いなく必要でさ。多くのものがホラーショウのメロディーをサンプリングしたものが基になっていたりするけど。

まさしくThree 6 Mafiaが残したレガシーですよね。

Girl Unit: わざとらしく気取っているという言い方はしたくないのだけれど。ただ演劇的と呼びたい。そしてそこには皮肉が含まれていなければならない。プロダクションの面においても。

Three 6 Mafiaに関して言えば、数週間前にJuicy Jが野外のフリーショウでパフォーマンスしたことがあったのですが、そこで彼が参加したあのKaty Perryの曲を二回も披露したんです。一回目はアカペラで、そしてその直後にビートとともにもう一回。まさか自分がそれを聞きたいと思うだなんて思いも寄らなかったのですが、聞いた途端に、ああ僕はこれが聞きたかったんだって確信したんです。

Girl Unit: それ素晴らしいね。それが誰であろうと、Juicy Jをあの楽曲に起用した人を僕は愛するよ。



例のJam Cityと行ったインタビューで、あなたはトップチャート曲“Call Me Maybe”のことを“Timeless piece of shit”(時代を超越したクソ)と呼んでいました。それはとても完璧な表現だと思ったのですが、それに関して少し説明して頂けませんか?お二人にとって“Timeless piece of shit”とは具体的にどういう意味なのでしょう?

Bok Bok: (笑)。弁明しなくちゃいけなくなっちまったよ。

Girl Unit: まさかこのことに関してもう一度質問されるなんて夢にも思わなかった。

とても完璧な表現だと思ったのです。

はなから時代を超えたものを作ろうとして制作に励むなんて、僕にはうぬぼれに感じる。- Bok Bok
Bok Bok: 言葉で説明するよりは、それに関するストーリーを話そうか。デトロイトのDEMFフェスティバルで素晴らしい時間を過ごしていたときのことなんだけど、僕はしばらくの間テクノ以外の音楽を全く聞いていない状態だったんだ。1人でDEMFの最中だって言うのにとても静かな場所に居た。そして、駐車場を横切っているときにそれが聞こえてきたんだ。以前にタクシーのなかかどこかで聞いたことはあったけれど、初めてその曲を好きだと思えた瞬間だったよ。この曲はただとても耳障りだった。ストリングスの音が空間に飛び出してきてさ。それを聞いて“一体全体なんなんだこれは!”って思ったんだ。

Girl Unit: あのストリングスの音のうるささと言ったら。

Bok Bok: とてもクレイジーだったよ。そして思った、これこそ俺が求めていた活力だって。言うまでもなく歌ではなくてトラックの話なんだけどさ。おそらくクラブで聞いていたほかのどんなトラックよりも聴くのを楽しんでいたよ。

あの曲には何かあるような気がします。LOL Boysが素晴らしいエディットワークをしていましたね。

Bok Bok: ポップス全般を嘲笑するような真似はしたくないよ。問題はそこではなくて。そのコメントの“piece of shit”の部分に関してはよく分からないな、とても断定的に聞こえるね。僕がただそのときのことをeメールで書いたっていうだけのことなんだが。

Girl Unit: “Timeless piece of shit”という表現には、僕は敬意すら感じるけどね。

そうですね。僕もそれは感じます。

Girl Unit: “Timeless”(時代を超越した)って部分が重要なんだと思うよ。ポップソングだから消費されて終わりってなりがちだけど、そうじゃない。それから、プロダクションも流行に合わせられていない。それがこの曲の変わってる部分でもあるんだけど。思うに、これこそKaty Perryの曲って感じに聞こえるんだ。ただストリングスがすごくまぬけに聞こえるってだけで。

Bok Bok: 本当に可笑しいや(笑)。

Girl Unit: だからこの曲は成り立っていると思うんだ。だからこの曲は時代を超越できるんだろうと思う。

トラックを制作しているときには、その時代に即時的に受け入れられるものを作ろうと努めますか?それとも、10年経っても新鮮に聞こえるようなものを作ろうと考えていますか?それとも、そんなことは微塵も考えずに制作しているのでしょうか?

Girl Unit: 始めから、自分にとってそれは実現するには到底難しいことだと思うだろうね。たった4、5年音楽を作ってるくらいじゃ、制作がどう進んでいくかなんて予測不可能だから。

Bok Bok: とりあえず、それは音楽を作ることを考察するにあたって間違った考え方だと思う。音楽を作るというのは経験を積み重ねていくということ。うまく行くこともあれば全くうまく行かないこともある。作り上げてしまうまで、それがどういったものになるのかなんて知り得ないものだろう。そして作り上げたとして、それが予期外のヒットになることもある。どうなるかなんて誰にも分からないんだ。“Silo Pass”だって、あれが人々の耳に引っかかるなんて思いもしなかった。もともとリリースするつもりもなかった曲なんだ。そういう類いのことは他にもたくさんあるから、はなから時代を超えたものを作ろうとして制作に励むなんて、僕にはうぬぼれに感じる。



これはどちらかというとラップ関係のメディアに関する内容かもしれませんが、新しいレコードが出てそれがすごく良かったりすると、いつも“これはクラシックになりえるか?”っていう口論が始まるのが慣習になっていると思うんです。どうして私たちはクラシックと呼ばれる、人々から永遠に愛され続けるレコード、というアイデアを特別扱いするのでしょうか?そしてそれ以外のものはただの流行で消費されて捨てられてしまうと考えるのでしょう?

Girl Unit: 楽曲を何ヶ月か、もしくは一年ほど寝かせてみるというのも良いことだよ。再び聴いてみて、“Oh, yeah.”ってなるんだ。

Bok Bok: クラシックという言葉に関してはよくわからない。不思議だよ。だってダンスミュージックの世界では多くのトラックが文脈の上で作用するんだから。他のトラックにミックスされてはじめてその効果を発揮する。だからちょっと可笑しいよね。どちらかというと独自性というのが重要なんだと思う。

Girl Unit: 思うに、人間はまず新鮮さから何かをもう一度聴きたいと感じ、そしてノスタルジックだということからも同様の事を感じると思うんだ。だからもしあるトラックがその2つの要素を有しているとしたら・・

Bok Bok: それは正しいね。それがクラシックの公式かもしれないな。

Girl Unit: でもノスタルジアは予測できるものではないよね。

Bok Bok: その感覚を何度も繰り返し感じることが出来るのかってことでもあるからね。いくつかの曲は聞き飽きてしまうし、そうならない曲だってある。様々な要素の組み合わせなんだ。かなり長い期間共鳴する曲も存在するし。

Girl Unit: それこそがトラック制作で、最も気がおかしくなる原因だと思う。魔法のアイデアを思いついたとしても、一体制作のどの時点でそれが創作できたり、もしくは破壊されたりすることになるんだい?

Bok Bok: そのうえミキシングまでしなくちゃならない。

Girl Unit: そうだよ。ミキシングの段階ですべての魔法を失いかねない。そしてそのことに関して本当に気を使い始めると、ただただ気が落ちていくだけだ。

Bok Bok: 気が狂ってしまいかねないよ。そのときに正しいと感じたものでいくしかないんだ。そして同じことを次のトラックでもするんだ。



お二人はどちらも、音楽を視覚的に描写するのに長けていると思います。それで可能であれば、それぞれのサウンドを視覚的に描写していただけないかと思っていたのです。アレックスが覚えているかは分かりませんが、あなたは最近のFACT誌のインタビューでご自身のサウンドをYour Charizmatic Self EPへと発展させた過程を、Metal(金属)からWood(木材)への変化だったと仰っていました。

Bok Bok: ああ、ソフトウェアとハードウェアの機材を使い始めたことに関してそう言ったんだ。

そしてフィルはJam Cityと行ったインタビューで、シンセサイザーのbuzzsawサウンドをシルクのような響かせ方で使いたいと表現していました。それは音を想起させるのにとても有効的な表現だと感心したのです。お互いのサウンドをそれぞれの言葉で視覚的に描写していただけませんか?

Bok Bok: それは僕にとってはとても簡単だ。なぜなら僕はいつもフィルの音楽は青色だと思っていたから。磨かれたスチールとLEDライトのような青色だ。だけど彼の最近の作品は全く異なる。うまく表現できないな・・。その為に新しいイメージを形成する必要もあるくらいなんだけど、そこには確実に新しいテキスチャーが忍び込んできている。今日のGirl Unitに関して僕は、激しく磨き上げられたスチールと青いLEDライト、それから完璧な整合性という言葉で表現する。だけどHystericsに関してはもっとラフなんだ。

Girl Unit: 既にそれがとてもスチーム・パンクだということで冗談を言ったりしてたんだ。どういう意味かというと、それはとても・・

Bok Bok: 人力的。

Girl Unit: そうだね。アレックスの音楽にはね・・いつも何か押しつぶされたようなものを感じるな。つやを消されたような、そういう意味なんだけれど。新しい作品では特に。そこには、エキサイトメントが爆発するような瞬間が何度もあったかと思えば、呼応して、それを押しつぶしに来るなにかがあるんだ。

Bok Bok: 落ち着かせるようななにか。

Girl Unit: そうだね。ささやかなファンクのリフがあったかと思えば、突然スクエアウェーブが巨大な蒸気ローラーのようにそれらをすべて平らにしてしまう感じだ。



今までリリースしたものの中で、完全に間違った受けとめられ方をしたと感じるものはありますか?

Girl Unit: 何か他のものを始めるきっかけになったものならあるけど・・。いつも思うのは“Cake Boss”がHystericsを始めるきっかけだったということ。

Bok Bok: これには100パーセント同意するね。前にもこのことを言おうとしてたんだ。

Girl Unit: あの曲があのEPに入っているという状況がそうしたんだと思うんだ。あれはそんなにフィットしてないんだ。ただ僕がそこに加えたかったものであったというだけで。

Bok Bok: その通り。いや、ちょっと言い方が間違っているように思うな。あのEPにこのトラックの居場所は間違いなく存在していた。それはHystericsのきっかけとなったのだから。これに関しては間違いない。そしてそんなこと君は知りもしなかった。それこそがクールな理由なんじゃないか。僕は自身の作品が間違った受け止められ方をしたと感じたことは無いかな。人々はいとわずにいてくれているよ。

それでは最後の質問です。お気に入りのサウンドは何ですか?

Bok Bok: サウンド?808のカウベルだよ。

即答でしたね。

Girl Unit: わからないな。多分、LM1のリムとローリムとか、プリンスリムも好きだ。分かりやすいのは承知の上だよ。関係ないけどね。

Bok Bok: 808のカウベルも分かりやすいよね。なんたって“クラシック”なんだから!